『私だって、“あの人たち” が高校に行け、と言って入学手配をしてくれたから ここにしたし、これからもここに通う。』

「ふはっ。結局、ここに通うことしか選択肢はねぇだろ?どこにも受け入れて貰えない

“いらない子” 、だもんなぁ?」

その言葉が、ヤケに耳についた。

舌打ちをしたい衝動を何とかこらえる。

ここで反応してしまえば、何か負けのような気がする。

『何回も言わせるな。ここは“あの人たち” が手配してくれたからだ。

でなきゃ、こんなとこ、通わねぇ。




私が “いらない子” ?そんなの、自分が1番よく知っている。』


そう。ここは私のお母さんや、お父さんみたいな人に最低でも高校だけは出ろ、と手配してもらった学校。

だから私は、ここに通う。

それにしても、あんなに酷い事をやらかしたのにまだ娘のように思ってくれているのか。

ほんっっと、優しすぎる人達だ。

私の周りの人たちは、優しい。私が気が付かないだけで、いつも手を伸ばしてくれている。

それに私は毎回気が付かない。

いつも、伸ばしてくれているその手を気づかずに、踏みにじってしまう。

それなのに……。

まだ、伸ばし続けようとしてくれるんだ。

私の周りの人は馬鹿みたいに優しいから。

………たまに、物凄くそれが息苦しくなる。

私はそんなに思ってもらえるような価値なんて、無いのに。