「裏切られた後に、知るのが。裏切られたことになんとも思わなくてその時に初めて気がつくんだ。
ああ、俺、この人の事信じてなかったんだなって。好きでもなんでもなかったんだって。
気がついた瞬間から、むしろ笑えてくるほどに孤独感を感じるんだ。」
その言葉に奥歯を噛み締める。なんで、そこまでそんなひどい考えになったの。一体何があったの。
違う。私は凪止と会ったのは小学校高学年にあたる頃から中学前半。その時にはもう、ずっと金髪は比べられ続けてきたんだ。
当たり前で、諦めてしまっていて。多分、無自覚で人を愛せなくなった。
優しい人なのに。金髪をそうさせた周りの環境が許せない。
『私は、裏切らないよ。』
「そうかよ。」
『ホントだよ。大丈夫だよ。』
「そうかよ。」
『裏切ったなら、捨ててくれて構わない。信じられるまで感情は持たなくて大丈夫。そうすれば、空虚感に気が付かないでしょ?
私も、最初は神龍のメンバーとは仲良くなる気なんてなかった。だけどみんな優しくしてくれるから、居心地が良くて、気がついたら楽しくなってた。』
「……、俺に何を求めている?」
『私を信じて。今すぐじゃなくていいから。』