ただ、比べられ続けた。

中学に上がれば、相当記憶強い記憶を植え付けたみたいで、教師には

「相澤藍の弟なのか!頑張れよ。」

「相澤はここ得意だったぞ?」

「凄かったなぁ、藍は。」

比べられ続け、俺のことなんて見て貰えなかった。


いい点をとっても「流石、相澤だな!」と言われるだけ。

「ははは、あざまーす。」

これくらいになるともう諦めていた。考えることを放棄した。多分兄には勝てない。

本当は相澤ってのは俺、輝のことをさしてくれていた人がいたのかもしれないけれど考えるのさえめんどくさかった。

だけど自暴自棄になるくらい卑屈な考えにならないで居られたのは龍と千歩のおかげ。

藍は藍で、お前はお前だと言ってくれる幼なじみの存在。


だから兄のことは尊敬で、嫌いなんてことにはならなかった。