放課後に夏休み、友達と家で遊ぶ。その楽しいはずの出来事は

「やった!もしかしたら輝の兄ちゃんに会えるかな?会ってみてぇんだよな!」

「イケメンなんだろ!?な、龍喜!」

「イケメンだけど…そんなに気になることか?」


2階にある俺の部屋へと友達を案内した後に、1階から飲み物を乗っけて戻る時。

俺がいなくなったからと話す声が聞こえた。

俺の家に来たのは、兄ちゃんと会うためなの?


少し、疑問が芽ばえる。


「あ、輝!遅かったな!お前の兄ちゃんって家にいたりする?」

「兄ちゃん?あー、今日は部活。」


兄ちゃんは中学に入ってからバスケ部に入った。そこで活躍して県大会も優勝した程だ。

男にとっては憧れなのだろう。

友達は「そっか、」と笑った。残念そうに。



「じゃあ、ゲームやろうぜ!」

「うん」

「……。」



兄ちゃんがいない、と言うと目に見えてテンションが下がるのも手に取るようにわかった。


数日に1回の頻度で来るようになって、兄ちゃんが家にいる日は凄い楽しそうに。兄ちゃんが家にいない時はつまらなさそうにしている姿を見て、ああ、俺じゃなくて兄ちゃんが目的なんだと気がつくのには。


現実を受け止めるのには時間がかからなかった。