「だってだってー、よく漫画とかであるじゃーん!!女の子同士のキャッキャした会話ー!!」

『それに私を巻き込むな!!』

もう出る、と言った私を「まだ早いよー」と必死で食い止めようとする千歩。

「背中流し合いっ子しようよ!!」

『わかったよ…』

ずっと喚くので結局それに落ち着いた。千歩の背中をタオルで擦る。あ、ちゃんと用意されてた体とか洗う様のやつね。


綺麗な背中。傷1つない。そでか、過去に蹴られたとか言っていた傷は綺麗に治ったのね、良かった。

か弱い綺麗な背中。大事にされてきた背中。守られてきた背中。だけど私はただ守られてきただけじゃないことを十分にしっている。

『かゆいとことかない?』

「大丈夫だよー。」

と言うのでシャワーをかけて流す。

「次は里香ちゃんね!」

『うん。よろしく。』



それにしても千歩は凄いな。


千歩は今、私の後ろにいる。当たり前だ、背中を洗ってくれているんだから。私の背中は千歩とは違って傷だらけ。

たくさんの人を、仲間を守れた傷だったら私は後悔なんてしていない。私は千歩とは違う。私は守れなかった。【あの人】を守らなければいけなかった。


みんな私のせいじゃないって言ってくれたけど、そうじゃない。副総長なら総長を守らなきゃ。1番近くにいたんだから。