みんなが息を飲むように見つめる中、少しだけ目をふせた。


山奥、誰も使っていない家。売りに出されて買い取られていない家。その敷地内にものを埋めることが出来るのは、売りに出される前の持ち主しか居ないだろう。

そして一瞬だけ見えた男の子の首元。縄で縛ったかのような跡があった。締め付けられた。でもそんな跡がつくような力で締め付けられたら死んでしまう。

当たり前だよね。

目を開く。




「バレちゃったか。」


隠れんぼで見つけられた時みたいな言い方だ。


千歩が不思議そうな顔をする。

十勝が驚きで目を見開く。

金髪もなんとも言えない顔をしていた。

時友は予想がついていたのか静かに目をふせている。

永富は眉を下げて薄く笑っている。


「バイバイ。」

そう言って男の子は消えた。タイムカプセルも、私が持っていた今までの手紙も全てを持って。


残ったのは静けさだけだった。


「成仏、したんだね。」

「どういうこと?」



「昔あった事件、輝が言ってたでしょ?殺人事件が起きたって話。

多分、被害にあったのはこの家。殺されたのは兄弟で今まで僕達が話をしていた子は兄の方。

きっとタイムカプセルを探すって言うのが未練だったんじゃないかな。見つけられたから成仏したんだよ。」

「……」

千歩が今にも泣き出しそうな表情をする。