『面倒見は良さそうだけど、なんか普段がアホそうだからかな。意外と言うより違和感がある…。』
言葉を落とせばストンと胸の中に入った。あの普段は自分が子供みたいな十勝が子供の世話をしていることに違和感があったのだ。
時友ならまだ分かる。なんか言動とかまとってる雰囲気とか母親っぽいし。
「龍くんには妹がいるからね。夏蝶ちゃんって言うんだけど。7歳差？かな？夏蝶ちゃんが小さいときから龍くん面倒見てるの。小さい子の扱いに長けてるからだと思うよ。」
『なるほど。』
雰囲気みたいな感じ？このお兄ちゃん話しやすいーみたいな。
「僕ね、そうだ。僕、ここに昔住んでたの。
僕が引越しをしてから売りに出されたって聞いて、久しぶりにここに戻ってきた気がする。だけど今はこんなに荒れてるんだね。」
「まぁ、色々あったんだよきっと。」
「それでね、お兄ちゃん。僕、隣の家に住んでる子が好きだったんだ。その子と一緒に、何かをしたと思うの。……何をしたのかは忘れちゃって。
どうしても思い出したいんだけど、思い出せなくて。
弟もいた気がする…………、」
「それがお前が探しているものか？」
金髪の声が飛んでくる。
確かにその可能性は高そうだ。
男の子は振り向く。
