もっと山奥。地中にある。何を探しているか分からないけれど、埋めたもの……。埋める……、死体とかじゃないよね?

そう言えばここは昔に殺人があったんだったっけ。死体を探す、にしても今は墓に埋めてあるだろうし。

あるわけないか、そんなこと。


「もっと、奥か?」

「うん、もうちょっと。」


獣道を進んでいく。少し宝探しみたいでワクワクだ。


「あ」

『どうしたの?』


後ろにいた永富が声を上げる。

「ううん〜。別に大したことじゃないよ〜。」

『そう…?気になるんだけど、』

「え〜〜?いや、別に大したことじゃないよ〜。そう言えばこの木桜の木だな〜って。

これだけ大きければきっと来年咲いたら綺麗だろうね〜。来年の春に見に行きたいな〜って。」


見上げる。確かに綺麗な桜の木。大きなその木は何年前からここにあるのだろう?


『ほんとだ。これ桜か。気が付かなかった。』

「知ってる〜りかちん。」

『なにが。』

「桜の木の下にはね〜、

死体が埋まってるんだよ。」


そんな話をしながら笑った永富が少し怖いと思った。