探すと言った所で、形のないもの……本人さえもが何を探しているかわからないものなんて見つかるはずがない。


「何とか欠片だけでも掴もっか。それは山奥にあるもの?」

「わからない。」

「目立つもの?」

男の子は首を振る。目立たないもの……いや余計に見つけづらくなったじゃん。

むむむむむ、と首を傾げる。


『あれ?十勝は?』


そう言えば十勝がいない。

「ああ、龍ならトイレだ。」

『この状況で?』

いやもっと深刻な状況で言われた方が困るんだけどさ。うん。だからといって今?

「ああ、そろそろ戻ってくると思うぞ。」


そう金髪に言われたから後ろを振り向く。

『あ、ほんとだ。ドンピシャ。ちょうど戻って来て………………え?あいつ何持ってんの?』


「どうした、紫陽?」


とてとてとこちらに戻ってきた十勝は、手にシャベルを持っていた。

『何故シャベル?』

「いや、勘がそう告げたから」

『あんたのかんは一体なんなの?』

全く、無茶苦茶である。