結局、ぼーっとしていても仕方が無い。この子はきっと目的を果たすまでは動かないだろう。

出て行けと注意をして、去ったところできっとあの子はまだここにいるだろう。

それなら簡単な事だ。私たちが一緒に探してあげればいい。いや、そういう考えをしなくてもきっと……


「俺達も一緒に探そう。」

「イエッサ!総長!」


十勝と千歩が声をあげるのだろうけれど。いや、けれどじゃないわ。実際に上げてたわ。予想通りすぎて笑うよもう。

「ほんと?」

男の子は声を少しだけ弾ませる。それに視線を合わせて微笑む時友。

あ、今ため息が2つ聞こえたな?

「その方が早いでしょ?なにを探しているのかは分からないんだよね?」

「うん、」

「それなら、一緒に探すよ。大丈夫!」

千歩が手を握る。


「ありがとう、お姉さん。お兄さん達。」


男の子は初めて笑った。