ことり、と永富が魚が入ったバケツを机に置いたのを聴きながら、とりあえず最低限に必要な携帯をポケットの中に入れてあるかを確認する。よし、入ってる。使わないとか思うけど一応。


「今日は俺たちの貸切だし、輝の母さんたちにも頼んだ。どうして入ってこれたんだ?」

十勝が山へと歩きながらそんなことを呟く。

『それを聞きに行くんでしょ?』

「……、あそこは今工事中だ。だから立ち入り禁止の札立ててあるのに……、普通入っていくかよ。」

『背丈が小さそうだったから、、、漢字が読めなかった、とか?』

「あるかもしれねぇな。」


そんなことを話ていたら看板が見えてきた。

男の子の姿は見えない。木がいっぱい生えていてたしかに少し雰囲気は悪い。


「もう少し奥にいるのかな」


『ここら辺にはいないしね。』


「奥行ってみるか。なんか冒険みたいだな。ワクワクしてきた」

そう言ってキラキラと瞳を輝かせている十勝は少年のようだった。