ゲートを潜り、芝生の生えた広場にたどり着く。大きな屋根があって、その下には机に設置されているバーベキューコンロ。

椅子もちゃんと準備されている。

そう言えば、会場はものすごく広いけれどこの後私たちの他にも誰か来るのだろうか。

確か、Kの時は族の人数自体が少なかったからみんなで来て食べて、1日泊まって帰っていたけれど……。

この後に他の人たちも来るのだろうか。

みんなが歩いていった方へとついて行き、ちょうど近くにいた永富に話しかける。

少し皆とは離れている。まぁ、近くにはいるけど会話が聞こえないくらい?


『この後は誰が来るの?』

さすがにこの広さを私たちだけが使うわけじゃないでしょう、と言う思いで発した言葉だけれど相手は上手く理解できなかったらしく頭にハテナを浮かべている。


「なんで〜?誰も来ないよ〜?」

誰も来ない、つまり私たち6人だけでここを使う……???

『でも、他の子達は…?』

そう。下っ端……という言い方はどうかと思うが他に言い方もないし……の子たちは来ないのだろうか。

永富はキョトンとした顔を隠しもせずにこちらを見る。

「りかちん、何も聞いてないの〜?」

『何もって、?』

「ここは僕達が毎年来ているバーベキュー会場で〜、一日目は僕達が使うんだよ〜。2日目が下の子たちが使うっていう順番なんだぁ〜。

でも神龍には下にいる子達はいっぱいいるでしょ〜?一度に来たら迷惑だから2日目と3日目に分かれているんだよ〜。僕達は2日目に帰るから今日はここに泊まっていくんだ〜。」