「そう言えばさ、食材は??」

千歩に続いて車から降りれば、当の本人は後ろに回って時友達に話しかけていた。

そう言えば、私も車に乗っただけで何も考えてなかったな。いや、違うの。アホなんじゃなくてさ、向かう途中で寄るのかなって思ったわけよ。

誰よりも早く車から降りてガサガサと後ろを漁っていた金髪が顔を上げる。

「それならもう用意してある。」

「わーっ!ありがとう!いつの間に??」

千歩が顔をパァァっと煌めかせて持っていくの手伝うねー!と声をかければ、「大丈夫だ」と言いながら後ろから出てくる十勝。

「そいじゃぁ、龍。こっち持ってくれ。」

「ああ。」

十勝が野菜の袋を金髪から2袋受け取ったから1袋持つよ、と言ったが断られた。なぜに。

ってかさ。それにしても、

『……、どこから出てきたの』


気配がなくてとても怖かった。ビックリしながら振り返ればボーッとしている十勝。

『……眠いの?』

「ああ、車、カクカクしてただろ?」


歩き出した皆を追うように私達も歩き出す。


……車がカクカク?揺れてたってことか?そんなに振動は感じなかったけど。

「だから眠くなって。」

『子供か??』


間髪入れずに突っ込んでしまったけど私だけに非があるわけじゃないだろう。