「里香ちゃんも、みんなでご飯食べたりとかしたことはある？？」

にこり、と笑ってそう聞いてきた千歩に、至って軽く思い出を話すように聞こえるように心がけながら喋り始める。

『あるよ。二人がかりでお肉を焼いてたんだけどね、そのうちの一人が私に肉を食べさせようとやけた肉をめちゃくちゃ持ってきたりね。』

【あの人】が「肉食えよ、里香！上手く焼けてんぞ！」なんて言って笑うから。皆が面白がって「それなら野菜も食べろ」とか色々置いてくるんだ。また1人は「ズリぃぞ！」なんて声をはりあげて。

あまりの量に食べきれなくて困るところを赤メッシュがいつも助けてけれた。だけど赤メッシュは食べるのがものすごく遅くて、結局食べ終わるのは遅くて、最後は笑いながら皆で食べるんだ。

ああ。
なんて懐かしい話だろうか。思わず笑みが溢れる。

「楽しかったんだね」

そう言って優しく目を細めて微笑んでくれた千歩にコクリと頷く。

好きだったんだよ、あの場所が。私が自分で壊しちゃったんだけどね、と付け加えることは出来そうになかった。