『おはよう』

そう言えば心の中でツッコミをしただけで挨拶をしていなかった、と思い改めてしてみる。そうすればよく出来ましたと言いたげに何故か時友から微笑まれた。

いや、あなた私のお母さんか何かですか?知らないけど。

ちなみに朝食は洋風でとても美味しかった。




「えへへー、お待たせ!」

車に乗り込んでくつろぎ始めた頃、千歩がにっこりと可愛らしい笑みを携えてやってきた。そう、そこまでは平和だった。だったというのによくよく見たら彼女は十勝を引っ張って来ている。

ほんとに、引っ張ってる。十勝の顔色少し青くない?あ、投げ捨てた。

ペシャ、と音がして十勝が床に転がる。

それでも千歩は車に笑顔で乗り込んできた。

「龍くん着替えさせるの大変だったんだー。」

いやもう十勝がネタを通り越してただのアホになってきている……、大丈夫なのか、総長として……。

そう思って十勝の方を見れば彼はもう既に立っていて、運転手と打ち合わせを始めていた。いや、切り替え早いな??

ちなみに千歩はカバンを車の後ろに入れている。私もさっき時友に指示されて入れた。あの後適当に服やら下着やら歯ブラシなどの洗面道具を突っ込んだ。お泊まりの準備は大変だった。