「えっえっ!?あっ!!そっか私寝落ちしちゃったのか!ごめんね里香ちゃん!」

『最初からここに泊まる予定だったでしょ。まだ寝ぼけてるの?』

そう答えれば千歩はほにゃんと笑った。ほっぺ引っ張りたくなるな。

「あっ、そうだ。龍くんはそう言えばなんでここにいるの?」

実にそれも最もである。なんでこの人ここに来たの?

「なんでって……、今日はキャンプに行く日だろ?」

「キャンプ……?あっ!ごめんね!早く起きなきゃだったのに!」

『あーー、あ?……、え?そうなの?』

そういえば昨日言っていた気がする……。千歩が焦り始めたのを感じたのか、十勝はドヤ顔をしながら

「そう思って、1時間いつもより早く起こしたから大丈夫だ!俺、早起き得意なんだ!!」

ドヤ顔ムカつくな、なんて考えながらも1時間早く来た理由について考える。私と千歩がお話をすると予想していたから?それなら、ドヤ顔も許せる気がする。

なんて横で考えていたら千歩はびっくりしたような声を上げている。

「龍くん、服は輝くんに選んでもらったの?」

別に十勝の服はそこまで言うほど変じゃない。薄手の長袖パーカーに、ジーパンといった至ってまともな格好だ。

「ああ、輝に怒られてな。服を変えたんだ。よく分かったな。」

「分かるよ!だって龍くんが着てる服がまともだもん。」

『……、まとも?』

いや、確かにまともだとは思ったけど何をそこまで驚く理由が?

「あのファッションセンス皆無の龍くんが!まともな組み合わせで!着ている!!!!」