『なに、どうしたの……』

「部屋にいっても千歩が居ないんだ…。今日はキャンプしに行くって言ってあったはずなのに、何処に行ったのか、紫陽知らないか?」

『千歩ならここにいる。』

そう言って布団をペラリとめくれば少し驚いたような顔をする十勝。なぜに?

「なんで千歩がここにいるんだ?」

『昨日お話してたから』

起こした方がいいかと聞けば起こしてくれというので、トントンと叩いて起こす。暖かいな。

「ん…、あー、龍くんだ。おはよう。もう朝?」

『おはよう』

目を擦りながら起きてくる千歩。すごい、私より髪の毛ボサボサだ。そう思い自分の髪に手ぐしを通してみる。あ、言うほど私の髪の毛ボサボサじゃなかった。

やっと、頭が覚醒したのか私を見て目を開いた千歩はそれはそれはすごい表情をしていた。目ん玉落っこちそう…。

「あわわわわ、り、里香ちゃ!?とはよう、おやすみ、こんにちは!?」


『……いやなぜに?』

何、とはようって。なんでそんなにテンパってるの?訝しげにみているのに気がついたのか私に向かって首を傾げる。

「里香ちゃん、なんで私の部屋にいるの?」

『え、ここ、私の部屋だけど。』

「私の?」

『そう、私、紫陽里香が借りてる部屋。』


ポケーっとした顔をしていたけどやっと思い出したのだう。