ギギィィィキィー!!

バイクが突っ込んできた。シャッターはさっき毒牙に壊されたから無い。そこをドリフトをするように突っ込んで来たバイクが1台。それを追うようにしてもう1台が突っ込んでくるのが視界で見えた。


ボヤけ始めていた意識は今の音で少し戻っていた。一番最初に突っ込んで来た人が。こちらへ向かって歩いてくる。

それが誰なのかまではわからなかった。

男の足がまた私の体に乗っかる。グリグリグリ、と足を体にめり込ませる。ギチギチギチギチ、内臓を潰されているよう感覚だったものが、


ドゴンッ



鈍い音を立てていきなり無くなった。


「千歩、遅くなって悪い。ごめん。大丈夫じゃ……ねぇよな。」


この声、龍くん?助けに来てくれたの?

ピントが合わない目を頑張って合わせば泣きそうな顔をしている龍くん。どうやら男は龍くんによって吹き飛ばされたようだった。