そして、バイクが私たちの倉庫のシャッターを突き破った。ひしゃげた鉄の塊になったそれは真正面から飛んできて、あと数歩左にいたら総長達は潰れていただろう。

緊張感が高まる。入ってきた男はやはり毒牙と名乗り

「行くぞおめぇらぁ!!」

叫んだ後、こちらに突っ込んできた。なんで?どうして?私たちがあんたのところの族になにをしたっていうの?

何もしてないよ?

何も。


ねぇ、なんで私たちの仲間が傷つかないといけないの?辞めてよ。お願いだから…。

そう願っても私にはなんの力もなくて、

「おんらあぁ!!」
「…!!」

ナイフがこちらに飛んでくる。

慌てて避けたけれど後一歩遅くて、長く伸ばしていた髪の毛が切れた。