ふっと意識が浮上して目が覚める。
あぁ、朝か。

そう思いながら隣を見れば感じる気配。

隣にいる男はまだ スゥスゥ と、浅い寝息を立てて眠っている。昨日の"行為"の相手の男は、藍色の髪で随分と綺麗な顔立ちだったようだ。

のそのそとベッドから起き上がって服を着、男の財布を探す。

___なぜ、こんな事をしているか、疑問に思っただろう。

私がしているのは援交。つまり、さっきまで眠っていたベッドはホテルのベッドだ。

まぁ、援交とは言ったもののいざやるぞ!!ってなったら相手を気絶させたりデートするだけでいいよって言う人もいるので実際体を重ねたことはないのだけど。

ちなみに言っておけば私はまだ処女だ。

まぁ騙したりもしているわけなので相手には悪いと思ってはいるのだがこちらにも訳があるのさ。

端的に言えば"生きなくてはならない理由"があるから。それは何よりも大事なこと。誰の大切なものを犠牲にしてしまったとしても。

私に出来る償いで、約束だから。

それは---、

「んぅ、」

と、そこで男が声を上げた。もうベッドから起きるのだろうか?めんどくさい。

起きてしまえば、手に入る金の量も下がってしまう。男の人財布から、万札5枚をポケットに突っ込みホテルを出る。

こいつ、さては金持ちだな。