気温がぐんと下がった廊下を歩く。使われていない旧校舎とは違って、今使われている校舎は人気がある。

無機質な冷たさがない現校舎。

すれ違う周りの人達は帰るので私達はその流れに逆らっている。

周りの人がこちらへ向ける視線。畏怖、嫌悪、好奇、尊敬。

ああ、どこの暴走族も向けられる視線は大差ないのだと思った。いや、Kの方が人数が何倍もあったのですごかったか。

Kのみんなが通っていた学校の方が単純に人数が多いうえに全員男。今思えばあの学校で過ごしてた私凄いな?

思い出に浸る。

あれ?そう言えば。

『保健室ってどこにあんの?』

「もう少し先だ。」

前の方から返事が返ってくる。意外と距離があるのね。

『そっか。ありがと。』

特に会話といった会話はなく、廊下で響く喧騒が辺りを包んでいた。