「はぁーっ、分かったよ〜。千歩は頑固だからねぇ~。

ただ、少しでも危ないって思ったら、直ぐにでるからね?」

「うん、雪くんありがとう。」

そういった所で、足音が聞こえてきた。

「3人、だな。」

雪くんが物凄く真面目な顔をして言う。3人、なんて人数まで分かっちゃうんだ。凄いや。

雪くんが気配を消したのと同時に、扉が開かれた。

「松浦 千歩〜、いるぅー?あ、いたぁ!」

「へぇ、逃げずに来たんだァ!!」

「さて、どーしますぅ?」

3人とも喋り方が似ていて誰が誰だか区別が付きにくい。いやー、うん。めんどくさい。

「あれ?」

と、そこで最後にしゃべった女の子の顔をよく見る。確かこの子、同じクラスだった気がする。名前はなんだっけ?忘れちゃったけど。

「なんですぅ?松浦ちゃん。」

「いや、同じクラスだよな、と思って」

「凄いですねぇ、よくそんなことに気が付きましたねぇ!褒めてあげますぅ!」

傷んだ長い金髪をポニーテールして赤のリボンで縛った女の子、

「どうせあなたは私の名前、知らないですよねぇ?

私の名前は、佐藤 唯風(さとう ゆいか)。覚えておいてくださいねぇ?」

やばいです。忘れそうです。私のクラスに佐藤、8人ほどいるんだけどぉ!?しかも、顔を覚えておくことがすごく苦手。雪くん、見えるかなぁ?私、絶対に忘れちゃう。

でも、雪くん絶対にそこから見えないよなぁ。

「佐藤 唯風、佐藤 唯風、佐藤 唯風、よし、覚えた!」

「私の名前はぁ?」

「佐藤 唯風!!」

「うふふふふふ、正解ですぅ♡」

よし、覚えたぞ。佐藤 唯風これで大丈夫。