はぁーっ、とため息を吐き出した雪くん。

「ええ、と、」

「りゅーくん達が千歩を連れてくる、その場でシメるっていう計画じゃなかったっけ?」

「そ、そうだっけ?」

私、自分のことしか考えてなかったからなぁ。ごめん、聞いてませんでした。

「まぁ、来ちゃったなら仕方がないや。千歩、ワイヤレスイヤホン持ってる?」

「持ってるよ。」

「ほら、耳につけて、電話繋いで。無線機代わり。」

「あ、うん。」

雪くんの支持に従いながらいそいそとカバンからイヤホンを付ける。

その間に雪くんは里香ちゃんちに連絡していた。

「あー、みんな?千歩来たよ。うん、うん、まぁ僕がいるから大丈夫でしょ。ちゃんと守るって。」

「あ、雪くん。」

「……、何?」

「私が決着付ける。」

《「は?」》

接続出来たのだろう、電話越しにみんなの声が聞こえてきた。

「元々私の問題だし。私がやるよ。」

《いや、でも危ねぇだろ。俺達が着くまで、》

「雪くん。」

「……なに?」

「危ないって思ったら守ってくれる?結局ここでもみんなに守られたら今日の意味が無くなっちゃうから。ちゃんと話さなきゃ。」

イヤホンからはみんなが走っている足音が聞こえる。