「あった、」

はぁ、はぁ、と肩で息をしながら手を膝について少し休憩する。時間は多分、トイレに行ってから10分くらいだろう。

りゅーくん、気がついたかな?私、いつもトイレ早いから。あー、でもなぁ。りゅーくんだもんなぁ。
里香ちゃんが遅くない?って言ってりゅーくんが便秘じゃね?っていうのも想像出来ちゃうよなぁ。

おっと、下ネタが過ぎたかな?あれ?これ、下ネタ?まぁ、いいか。人体の不思議ってことで。

「ふぅ!」

さっき内から外に出たのと反対に今回は外から内にはいる。だけどやることは同じだ。

窓を開けて、侵入する。

入ったことはなかったけれど、中は意外と広かった。

本が入っている棚や、机。雪くんはどこにいるんだろう?私が入ってきたこと気がついたかなぁ?

あ、私を呼び出しただろう女子はまだ来てないみたいだ。

「え?千歩?なんでここにいるの?」

さっきまで気配なんてなかったのに雪くんの声がする。

「え、どこにいるの?雪くん。」

「机の下〜。」

語尾をいつものように伸ばしながら、机を叩いたのだろう。

一見、机が勝手にベシベシと音を立てているように見える。怪奇や、怖っ!

「あ、ほんとだ。」

机をのぞけば雪くんが体育座りをするようにして入っていた。

「で?なんでいる訳?まぁ、連絡、千歩が来る前に来たけど、ほんとにこっちに向かってくるとは。」