《松浦 千歩

三日後、備品室その1に来い。

鍵を開けておくから窓から入れ。》

シンプルな内容が書かれた私宛の果たし状。

「よし、行かなきゃ。」

お荷物になんて、なりたくない。だけど私の役職はお姫様。守られるのが仕事。

みんなは守ってくれようとしているのは知ってる。今日だって、みんなは反対してくれた。行かなければ危ない目に合わないだろうって。

だけど、今日行かなくて問題が終わったとしても、それは一時的なものだ。意味がない。

きっと今度はもっと、悪どい手を使ってくるのだろう。ならば、万全の状態でみんなで望む。

それでいいじゃないか。備品室その1、みんなが探ったところで間違いない。あそこには雪くんがいるから、もしも最悪の場合、何とかなるだろう。

後で怒られちゃう、かなぁ?まぁ、それでも仕方がない。

手首、足首を回して旧校舎に走り出す。行かなきゃ。行かなきゃ。

みんなより早く、備品室へ。

窓から入んなきゃ。

人を傷つけるのは怖いけど。みんなを傷つけられるくらいなら、戦うから。

だから、どうか。

私の勝手な行動を許してね。