携帯から聞こえる、少し低めの声。十勝は電話だと声が少し低くなるらしい。
『無事だよ。さっき、連絡入れたと思ったんだけど。』
「だって、30分たったから。」
チラリ、と腕時計を確認すれば確かに30分が経過したところだ。
『まだ30分じゃん』
「駅の周りは治安悪ぃだろ?なんかあったのかと思って。」
『私、あんたんとこの姫じゃないんだからそこまで心配しなくても大丈夫なんだけど。』
「何言ってんだ?仲間なんだから、心配して当然だろ?」
十勝は、案外簡単に“仲間”という言葉を口にする。私には到底できない、行為。
「千歩も心配してるから、できるだけ早く戻だてきてくれ。
迎え寄越そうか?」
『いいよ、要らない。』
「そうか。無事ならそれでいい。んじゃ、またな」
ぶちっと電話が切れて、それを知らせる機械音が流れる。
なんて言うか、
『自分勝手過ぎないか?マイペースだな。』
少し疲れたような顔をしていたのか、後藤さんが面白そうに笑った。
「よっぽど、里香ちゃんが大事なんだね。」
そう言われて、さっきのように動揺しないのはきっと……。
スマホを握りしめる。
『どうなんでしょう?』
口角を上げて、微笑んだ。
___きっと、
そういうこと。
『無事だよ。さっき、連絡入れたと思ったんだけど。』
「だって、30分たったから。」
チラリ、と腕時計を確認すれば確かに30分が経過したところだ。
『まだ30分じゃん』
「駅の周りは治安悪ぃだろ?なんかあったのかと思って。」
『私、あんたんとこの姫じゃないんだからそこまで心配しなくても大丈夫なんだけど。』
「何言ってんだ?仲間なんだから、心配して当然だろ?」
十勝は、案外簡単に“仲間”という言葉を口にする。私には到底できない、行為。
「千歩も心配してるから、できるだけ早く戻だてきてくれ。
迎え寄越そうか?」
『いいよ、要らない。』
「そうか。無事ならそれでいい。んじゃ、またな」
ぶちっと電話が切れて、それを知らせる機械音が流れる。
なんて言うか、
『自分勝手過ぎないか?マイペースだな。』
少し疲れたような顔をしていたのか、後藤さんが面白そうに笑った。
「よっぽど、里香ちゃんが大事なんだね。」
そう言われて、さっきのように動揺しないのはきっと……。
スマホを握りしめる。
『どうなんでしょう?』
口角を上げて、微笑んだ。
___きっと、
そういうこと。