「そうかな?だけど、嫁に出会えたことは、神様にとても感謝している。

だからさ。

こんな僕にも必要としてくれる人はいるんだ。里香ちゃんにもいるだろう?こんなにも、里香ちゃんは素敵な子なんだから。」


必要と、してくれる?


私を

必要と

してくれる人なんて

いたっけ?


少し、少し、

血の気が頭から引いていく。

存在を認めてもらえなかったことなら、ある。

だけど、必要なんて。


テテテテテテテテテテテテン、テテテテテテテテテテテテン…。


いきなり、間の抜けたような音楽が鳴り響いて後藤さんに顔を向ける。

そうすれば後藤さんもキョトンとしたような顔をしてた。

直ぐに、カバンを確認し出すが、横に首を振る。

それでも鳴り止まない音に、やっと電話だと言うことに気がついた。

お目当ての黒い薄い長方形を取り出し、

後藤さんの方を見れば、コクリと頷いたので応答する。


『もしもし、』

「おせぇ!!長ぇ!!早くしろ!」

応答した瞬間、いきなり罵倒された。