「…気にしないでください。
蓮さんがお兄ちゃんの無実を証明してくれるから…。
それまで辛抱すればいいだけのことです」



本当は怖かった。
蓮さんと会うことも話すこともできない今、世間からの注目を一身に浴びてしまうこと。

不安で不安でたまらなかった。


だから園田さんに言った言葉は、自分に言い聞かせるためのものでもあった。




「私達が必ずお守りいたします」


園田さん達はみな私の方をまっすぐ見つめ力強く頷いた。







その夜、私の病室の窓ガラスが割れた。

床には小石が転がっており、幸い怪我人は一人もでなかったが、明らかに外からの嫌がらせであった。




今朝までとは打って変わって、必要最低限のとき以外、看護師さん達が来てくれることもなくなった。

会話も必要最低限のものだけになった。




これもあと少し…あと少しの辛抱。
きっと蓮さんが助けてくれる。




体全身が痛むだけでなく、足をうまく動かすこともできない小春の精神は、かなり不安定になっていた。


蓮さんに会いたい……



男の子を助けたことは後悔してない。
けれど、まさかここまで大きな騒ぎになってしまうとは思ってもいなかった小春だった。