ピ…ピ…ピ…ピ…
一定に音を刻む機械の音が聞こえる。
ああ…これは心拍数を示す音。
あれ…?でもなんで?
この音はダレの音?
すごく近いところで聞こえる…
え…私……?
私の音?なんで私…今……
なんだろう、体がすごく痛い。
足がへんなかんじ。
…怖い。わからない。
痛いよ蓮さん…
「佐々本さーん、佐々本小春さーん」
誰かが私を呼んでいる。
知らない人。
知らない女の人。
重たいまぶたを上げると、やっぱり目の前には知らない女の人。
あれ…、この人看護師さん?
「先生、佐々本小春さん意識回復しました!」
「佐々本さん病院ですよ。
わかりますか?」
今度は年配の男の人。
この人は…、お医者さん?
「…は、い。わかり、ます…」
あれ?うまく話せない…どうして?
「佐々本さん安心してください。
もう大丈夫ですよー。
佐々本さん事故にあったの覚えてるかな?」