ケーキを食べ終わったあと、1人ずつシャワーを浴びた。
「…小春、いいか?」
「…はい」
「愛してる、ずっと」
「私も、愛してます」
蓮さんの手が私の素肌を優しく撫でてくれる。
はじめての私が辛くないように、ゆっくり、ゆっくりと…。
「ンっ」
自分のものとは思えないような甘い声が漏れて、恥ずかしくなって唇を噛み締めると、蓮さんは
「小春の声…もっと聞かせてほしいな。
でも、隣の部屋の人にはこんな可愛い声聞かせたくないから…ちょっとだけ我慢して?」
と言うと、私の唇を割って蓮さんの舌が入ってきた。
その間も蓮さんの手は休まず優しく私を刺激し続け、丁寧に丁寧に抱いてくれた。
繋がったときは本当に幸せで…
痛みもすごくあったけど、それより喜びの方が大きかった。
ーーー次の日、目がさめると蓮さんはもういなかった。
覚悟はしてた。
昨晩の行為の最中、私を見つめる目が時折寂しそうに歪められていたから。
でも悲しくて寂しくて…涙が止まらなかった。
ふと、机の上に置いてある封筒に目がいった。
「…て、がみ?」
恐る恐る封筒を開くと、中には蓮さんからの手紙が入っていた。
……………………………………………
小春へ
まず、ちゃんと別れも言わずにいなくなってごめん。
でも言い訳させて?
俺、小春に会ったら笑顔で別れられる自信がなかった。
小春の記憶に残るのは、笑顔の俺であってほしかったんだよ。
だから小春が眠ってるうちに家を出ました。
最後じゃない。
ちゃんと小春の元へ帰るから…
だから笑顔で待っててほしい