「というか蓮さん!
私の誕生日を盛大に祝うとか言っておきながら、私と縁切ろうとしてましたよね!?

今日で最後なんて言われたあとに祝ってもらっても嬉しくありませんでしたよ!」


「…いや、それはほんとごめん」




出逢った頃よりいろんな表情を見せてくれるようになった蓮さん。

今だって、きれいな形の眉毛が申し訳なさそうに下がっている。


「ふふふっ、もう怒ってないから早くご飯たべましょう?」

「ああ、ありがとう」



こうして2人向かい合ってご飯を食べるのだって、もう今日が最後。



でも、蓮さんは必ずここに戻ってきてくれるって信じてるから…

だから、最後の時間は笑って過ごしたい。



「今日のハンバーグはどうですか?」

「最高!小春の手料理が食べられる俺はほんと幸せだな」


「こんなのでよかったらいくらでも作ります!
…だから、早く戻ってきてくださいね」



泣かないよう必死に堪えて、精一杯の笑顔を向けた。



「ありがとう小春。
…待ってて」


「はい」