今度はお互いの存在を噛み締め合うかのようなキスをした。
「蓮さんにファーストキス捧げちゃいました」
「っはあ!?」
こんなにかわいいんだからキスぐらいは経験済みだろうと思っていたが…
「まじかよ…」
「なんでそんなに驚くんですかっ!
どうせ私はモテないですよ」
モテないと思ってんのかこいつ…
それならそれで丁度いい。
周りからの好意に気づかないくらいのほうが変な虫がつかなくていいかも。
「怒るなって。周りがどう言おうと俺は小春が一番好きだから」
「…そういうこと言うのずるい……」
泣きすぎて赤くなった小春の目元に軽くキスを落とすと、耳まで一気に赤く染まった。
「今すぐ小春を味わいたいところだけど、ご飯食べ終わるまで我慢するよ」
今度は耳元でそう囁くと、小春はビクッと肩を震わせた。
反応がいちいち可愛くて困る。
「それに忘れてるみたいだけど、今日は小春の20歳の誕生日だろ?
盛大に祝う約束だったからな」
俺は机の上に置いていた箱を開けて見せた。
「わぁっ!ホールケーキ!」
俺が用意したのはイチゴと生クリームのホールケーキ。
真ん中には『こはる 誕生日おめでとう』と書かれたチョコレートと、2と0の形をしたロウソクが立ててある。
それともう一つ…