小春の作った朝ごはんは、俺の人生で一番うまかった。
手作りのごはんなんてはじめてだった。
誰かと笑いながら食べるごはんが、こんなにも楽しいなんて知らなかった。
「食が細いの」って言ってほとんど食べようとしない小春の口に、「あーん」って柄にもなく箸で食べさせるのも、幸せでくすぐったかった。
「蓮さん…次はいつ会ってくれる?」
30cm近く背の低い小春が俺を見ると自然と上目遣いになる。
これがまた殺人級にかわいくて、女に貢ぎたくなる男の気持ちが痛いほどよくわかってしまった。
「…うーん、昼間は小春も仕事があるだろ?
俺も仕事部屋にいないと怪しまれるしな。
朝と夜、小春が連絡くれたらいつでもここに来れるよ」
「ほんとうに?」
「ああ」
「じゃあ…蓮さんが暇な日は、毎日泊まってほしいな」
っ!…くそっ、殺人級にかわいい。
「あ…でも…、ここだと寒いしソファーしかないし…。
また今日みたいにソファーに2人だと、背の高い蓮さんはしんどいよね…
やっぱり来ちゃダメ」
シュンとしょげてる姿もまた俺の心を揺さぶってくる