そんなことを考えていたら、彼の瞼がゆっくりと上がって、目の前の私を捉えた。
「おはよう」
寝起きだからか、少し掠れた声。
それが尚更色気があってドキッとする。
「っ、おはようございます」
彼は私をじっと見つめながら優しく微笑んだ。
その笑顔に私の胸はキュンと音を立てる。
「なあ、俺を褒めてよ」
「なんでですか?」
「すっげえ大変だったんだぞ?
昨日おまえはいつのまにか寝始めるし、しがみついてるから帰るわけにもいかねえし…
それにおまえ……可愛すぎてほんと困るんだよ」
「っ!」
「襲わなかった俺を褒めろ。
おまえ不用心すぎ」
「ふふふっ
やっぱりいい人だ」
「っ、バカ!
なんでそうなるんだよ」
照れて顔を背ける彼の姿が、本当に愛おしく思えた。