ーーーカチ カチ カチ カチ


秒針の音が不快なくらいはっきりと聞こえてきて、小春はため息とともに時計に目を向けた。


…もう就業時間。
私の初めては、大嫌いな所長に奪われる。

どうしてこうなってしまったんだろう。


お兄ちゃんと、ただ幸せに暮らしていただけだったのに…




ふと視線を感じて顔を上げると、眉間にシワを寄せた所長がこちらを見ていた。
早く外で待っていろ、ということだろう。


全身が震えるのを感じながら、私はカバンを持って裏口に出た。



…いっそこのままそこの道路に飛び出してしまいたい。


たくさんの車が行き交う道路に飛び出せば、私の身体は吹き飛んできっと楽に死ねるだろう。