佐々本大雅は本当に犯人なのか…?
と、蓮が考えを巡らせていると、モニターに佐々本小春の顔が近づいていた。
どうやら、スマホを握りしめたまま眠っているようだ。
「…子供みたいな寝顔だな」
今まで、佐々本小春がこれほどスマホに顔を近づけたことはなかったので、始めての距離感に、蓮は一瞬戸惑った。
…こんな寝顔、クソジジイたちになんか見せたくねえ。
いや、クソジジイだけじゃない。他の誰にも見せたくない。
頭をよぎったその考えに蓮は自分でも驚きを隠せなかった。
俺どうしたんだ…?
今までこんな風に女に思い入れすることなんてなかったのに…
だが1つ言えることがある。
俺はこの子の兄の無罪を証明して、この子を助けてやりたい。
その決意だけははっきりしていた。