そう言うと、園田さんたちはホテルまでのルート確認などをし、すぐに準備が整った。
「行きましょう、彼の元へ。
必ず無事にお連れいたします」
「…っはい!ありがとうございます」
そして再び、アパートを取り囲む報道陣をかきわけ、車へ乗り込んだ。
ーー車の中で、園田さんはこんな話をしてくれた。
「彼は…私たちの会社へ依頼に来られたときこうおっしゃってました。
『彼女が周りからどんな人だと言われようと、必ず守り抜いてくれ。
俺がこの世でただひとつ大事に思っている、本当に大切な人なんだ。
彼女のことが信じられないと言うのなら、倍の金額出したって構わない。
だから彼女を…佐々本小春を守ってください。お願いします』…と。
彼にとって、あなたが何よりも大切な存在なんだと、あの日私たちは確信いたしました。」
…私が知らないところで、きっと蓮さんは私のために一生懸命戦ってくれたんだろうな。
こんな足になってしまったけど…私は蓮さんを支えたい。
助けてもらってばかりじゃ嫌だもん。
負けるな私ーーー
心の中でそう呟くと、小春は蓮からもらったうさぎを抱きしめた。