―――…
「萌花、何がいい?」
「あ、じゃあ…詠介さんのカフェモカが飲みたいです」
「ん、了解」
萌花のリクエストに添うように手元を動かしていく。
そうして出来上がった湯気の立つ2つのコーヒーカップのうちの1つをソファに座る萌花に手渡して、自分も隣に腰を下ろした。
「やっぱり美味しいなぁ…」
「それはよかった」
そっとカップに口をつけた萌花が、ふうっと温かい息を吐いて頬を綻ばせる。
彼女は自分と同じ名前のカフェモカが大好きだ。
「そういえば詠介さんって、甘いのと苦いのどっちの方が好きなんですか?」
「ん…どうして?」
思わず疑問に疑問で返してしまったけれど、彼女は気にする様子もなく理由を述べていく。
「私、てっきり詠介さんはカフェモカが好きなのかなって思ってたんですけど…このまえ店長に聞いたら、詠介さんの会社にデリバリーするときはいつもブラックだって言ってたから」
「あー会社ではなんかブラックが飲みたくなるんだよね」
「あ!お仕事中は甘いのでほっとするっていうより、苦いのですっきりしたいっていう感じですか?」
「うん、そんな感じ」
苦し紛れにしたそんな返事だったけれど、萌花はすんなりと納得してくれたようだ。
…どっちも好きは好きだけど、元はどっちかといえばブラックを選ぶことが多かった。
俺がカフェモカを飲むようになったのは、萌花がきっかけだったから。
「萌花、何がいい?」
「あ、じゃあ…詠介さんのカフェモカが飲みたいです」
「ん、了解」
萌花のリクエストに添うように手元を動かしていく。
そうして出来上がった湯気の立つ2つのコーヒーカップのうちの1つをソファに座る萌花に手渡して、自分も隣に腰を下ろした。
「やっぱり美味しいなぁ…」
「それはよかった」
そっとカップに口をつけた萌花が、ふうっと温かい息を吐いて頬を綻ばせる。
彼女は自分と同じ名前のカフェモカが大好きだ。
「そういえば詠介さんって、甘いのと苦いのどっちの方が好きなんですか?」
「ん…どうして?」
思わず疑問に疑問で返してしまったけれど、彼女は気にする様子もなく理由を述べていく。
「私、てっきり詠介さんはカフェモカが好きなのかなって思ってたんですけど…このまえ店長に聞いたら、詠介さんの会社にデリバリーするときはいつもブラックだって言ってたから」
「あー会社ではなんかブラックが飲みたくなるんだよね」
「あ!お仕事中は甘いのでほっとするっていうより、苦いのですっきりしたいっていう感じですか?」
「うん、そんな感じ」
苦し紛れにしたそんな返事だったけれど、萌花はすんなりと納得してくれたようだ。
…どっちも好きは好きだけど、元はどっちかといえばブラックを選ぶことが多かった。
俺がカフェモカを飲むようになったのは、萌花がきっかけだったから。