「ちょうど眠くなってきたところで、少し休憩しようと思ってたんだ」
「あ、じゃあブラックコーヒーに…」
「コーヒーもいいけど」

それ以外は受け付けないとでもいうように、少し意地悪く萌花の言葉を遮った。

「目覚まし代わりに萌花の可愛い声、聞かせてくれない?」
「っな、あ…」

後ろからわざと萌花の耳元に息がかかるように囁いて、そのままうなじにキスを落としていく。
彼女の華奢な身体に回したのとは反対の手で包み込むように鎖骨をなぞると、萌花の口から熱い吐息がこぼれた。

あぁもうほんと止まんなくなる…

「萌花…だめ?」
「…私がだめって言えないの、わかってるくせに」

少しの間を置いてから…ぼそっとしたそんな彼女の可愛い呟きが耳に届く。
拗ねたように口を尖らせながらも、受け入れるようにすっと抱きしめる身体から力が抜けていくのがわかった。

向かい合うように萌花の身体を反転させると、恥ずかしそうに頬を染めて俯いている。
優しく顎を掬って視線を合わせると至近距離で目が合い、潤み始めた萌花の瞳に自分が映った。

「そんなに可愛い萌花が悪い」
「それ、理由になってないですから」

怒ったような口調を滲ませながらも、観念したようにすっと目を閉じた萌花に口づけを落とす。ついばむような触れるだけのキスから…少しずつ深く、甘く、萌花の濡れた唇を貪っていく。
自然と空いた唇から舌を滑り込ませると、もう時間が経つのも忘れて求め合っていった。