「すごい綺麗な3年の先輩とか、すごく可愛いお人形さんみたいな1年生とか、もうほんとにすごい人たちが振られたんだよ?私が受け入れられるわけないもん」
「あーちゃんは可愛いよ?」
「みよっちゃんが優しいのは分かるけど!無理なものは無理なの!」
そう、私が振られるのは100%わかりきっている。
わかりきっているけれど、想いを伝えられないままなのも嫌で。
でも、本人に直接も言えなくて。
「せめて、手紙だけでも読んでもらえたらって…」
「ふーん…そうかあ」
少し何かを考えたみよっちゃんは、よしっと制服のポケットをゴソゴソと探る。
そして出てきたものを手に握らされ、
「あーちゃんがそれでいいなら、うちは応援しとるで」
「みよっちゃん…」
じーん…っと胸が温かくなる。
みよっちゃんの笑顔と言葉が優しくて、こういう所がわたしは大好きで、憧れる。
「手紙いれるんに緊張して時間かかるみたいやったら、うち先に帰っとくから。頑張り」
そう言って、手を振って帰っていくみよっちゃん。
そして手を開くと、そこには苺のキャンディ。
みよっちゃんはいつも飴を持っている。
大阪の人はよく飴を持ってるって聞くけど、ほんとにあーちゃんはザ・大阪人だとおもう。