クラスメイト....のはずだった。
私は、小学校の頃、女子が苦手で、グループに入るのが難しかった。
仲のいい女子も、二人だけ。
でも、その二人は、あるグループに入っているから、あまり仲良くできない。
だれでも、そういう気難しい年は、ある。
女子とかかわれなかった。
だからよく男子と一緒にいた。
一緒にいたおかげで、いろんな人の噂を聞いた。
このクラス...いや、私は、同学年全員の好きな人を知っている。
男子には、よく、
「お前の情報膜、クモの巣かよ。」
とか言われた。
けど気にしない。
これのおかげで、たくさんの人とかかわれる機会が増えるし。
だけど、1人だけ。
たった、1人だけ好きな人がわからない人がいた。
それは、クラスで1番、優しく、賢く、運動もでき、可愛く、かっこいい、そして、面白い。
まるでマンガに書いたような人物。
それが、坪内 秀(つぼうち しゅう)。
学年1の..いや、学校1~2位の人気者である。
まぁ、秀とは、幼馴染だから、よく知っているが、好きな人だけは、聞いたことも、話題にしたこともなかった。
だから、ある日の帰り道、聞いてみた。
「ねぇ..秀。好きな人っている?」
何故か、この質問をした時に、胸が、チクチクした。
そしてなんでか、いませんようにっと願っていた。
「いるよ」
心が波打った。
不安になった。
胸が、心が、苦しくなった。
そして恐る恐る、聞いてみた
「だ..れ.?」
「それは....」
「あらー。秀ちゃんと桜那ちゃん帰ってたの?桜那ちゃんいらっしゃい。ちょうどケーキが焼けたのよ。」
「あ...じゃあ、いただきます。」
この時、秀が好きな人をいう前に、秀ママが入ってきたことに、ホッとした。
それと、残念とも感じた。
次の日、私のたった二人の友人..美紗と愛香に、この感情のことを聞いてみたら
「いや..普通に、恋でしょ?」
「まさか、自分で気づいてなかったの?」
と言われた。
こい...鯉...恋?...恋!?
私が? あいつに?恋をした?
まさかまさか...ありえるかも...
恋って、気づいたら落ちてるっていうし...
えぇ?でも!私が!?秀に?
これからどう接しようかわからなくなっちゃうじゃないか!
ウ〜ンうーん
「なぁ...桜那?どうした?顔が赤いよ?」
ズッザッザッザッザッ!
「なっ何でもないよ!」
びっくりした~。心の声漏れてないよね?
あー、、、あんなの恥ずかしいよ。
「......桜那.....」
「なに?しゅ...」
チュッ
「.....ェ?エ?え?」
「どうした?」
い、今...チュッて..
キ、キスした..よ..ね...?
き、気のせい?
でも、まだ唇に感触が...
でも、秀は、あんなに素っ気ないし..
どっちなの~?!
*夜*
まだ唇に感触が残ってる...
それに、その事を考えると、
胸が、ドキドキ、キュンキュンする。
何をしてても考えちゃう。
まさか..本当に...私...秀のこと
好きになっちゃったのかも...
キャー!どうしよーーー!
明日、顔が暑くて、学校に行けないー!
「おはよう。桜那。」
案の定、秀は、普通だった。
「はい。今度の歌のテスト、隣の人と、ペアでやってもらいます。それぞれ、アルトと、ソプラノに分かれてしてくださいね。」
私は、秀とペアか、まぁいいか。
「ねぇ?なんで屋上なの?」
「教室、人が多い。音楽室、先客がいたから。」
「あー。そーなの?ならいいんだけどねー。」
なんか他に理由あるのかとおもった....なんで私、期待しちゃってんの?
「まず、合わせようか?」
「そ、そうだね」
「♪♪~♪~♪♪~♪♪~♪♪~♪♪」
「まずまずいいね。」
「ねぇ...秀...昨日、私に...いや、何でもない。」
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
「ほら、チャイムなったよ。帰ろ?秀。」
「見て...」
「ん?...ふぁーうわぁー綺麗だね。夕焼け。」
「うん。ほら、みんな帰ってる。」
「あ、うん。」
ダッダッダッダッダッ
「あー..やっぱり、誰もいない。まぁいいか。はよ帰ろ?」
「ねぇ桜那。この状況ってさぁ、まるで世界に二人しかいないようじゃない?」
ボッーとして言った。
「...そうだね。もしも世界で二人だけだったら、秀は、どうする?」
賢い、秀ならどうするのだろう?
「僕だったら、桜那と幸せにこの二人だけの世界を楽しむよ。」
「え?」
「ゴラー!もう帰らんといけないだろーさっさと教室でろや!!!」
「残念ながら、二人だけじゃなかったね」
「....そう..だ..ね。....?」
*夜*
あれ、どういう意味なん?
「桜那と幸せにこの二人だけの世界を楽しむよ。」
...ギャーーー。やばいやばい。
かっこいいこと言うな...
好きなのが、もっと、倍になった。
ロマンチック~。
もう、毎回だけど、明日からどーしよー。
今日は、体育の時間。バスケットボールと、バレーボールを分かれてやっている。
だけど集中出来ない。
昨日のことで、頭がパンパンなのだ。
もう、頭は、ぐるぐると、昨日のことがめまぐるしく回っている。
「あっ!!桜那!ボール!!」
「へ?」
振り向いたのは、遅かった。
コートを反面ずつ使っていた、バレーボールと、バスケットボールが、飛んできて、私の顔面に、ヒット!
ボッコドッコ
「大丈夫?桜那?」
「...起きないの?俺が運ぶよ。」
ここまで聞こえて、気を失った。
*保健室*
「先生..いないのか...ベッド借りマース。」
あっ..なんかここふかふか
「桜那..........」
チュッ
「早く起きろよ...俺が...寂しいだろ?...」
優しい声...起きろって言ってるから起きたいな..
「んッ?んーー?」
「桜那?桜那?」
「はーい?だーれ?」
「起きたー。」
目の前にいたのは、美紗と愛香。
「おはよう!みーちゃん。あいちゃん。」
「おはよう。」
「今、何時?」
「今、昼休み」
え?だったら体育の時間から、もう2時間経ってんじゃん!
それに、夢の中で確か...
「ねぇ?男の子、さっきいなかった?」
「いなかったよー!」
誰だろ?確かあれ..キスされた気が..
ボッ
顔が熱くなり、赤くなった。
「え?えーーわぉ。桜那、大丈夫?」
「顔、真っ赤だよ?」
「だいじょーぶ。」
その日は、そのまま迎えが来て家に帰った。
それから、一ヶ月たって、私たちは、卒業式を迎えた。
「このひろいー♪このひろいー♪おおーーーーー♪ぞらにーー♪」
みんな泣いてる。そりゃあ泣くよな...
記念すべき一回目の卒業式。
私立中学いく人もいるし、転校する人もいる。
みんな大泣き。大洪水。
でも、私は、泣いていない。
悲しくない。
だって誰とも、知ってる人、仲いい人とは、離れないし、寂しくないから
...泣いていない。
「ねぇ、後で、謝恩会行くじゃん?その前に、教室来てくれない?」
と、秀が、言った。
「いいよ。」
もちろんいいに決まってる。
「ありがとう。でもちょっとまってて、すぐ行くから、これ振り切ったら...」
と、指さした方を見たら、ドドドドド、っと、後輩女子生徒が、走ってきた。
「秀先輩ー!ボタンくださーい!」
なるほど...
私は、秀に向かって微笑むと、教室へ向かった。
遅いなー...秀。
あれから、かれこれ、一時間経った。
あー、暇。もう謝恩会行く時間になるよ?
時間大丈夫なのかな?
ガラガラ
「お、おまたせー。」
息を切らし、ボロボロになり、秀は、やってきた。
「うんん。ぜんぜん待ってないよ。で?用事は、なんだった?」
「....桜那......言いたいことがあるんだけど、いい?」
「いいけど。なに?改まって、」
「この前さぁ、僕に、俺に、好きなやつ聞いたじゃん?あれ、今言おうと思って。」
「?いいけど。」
あっまた胸がチクチクする。
「誰かに行った方が、楽になる気がするから、いい?」
「だからいいってば。」
ズクズク、チクチク、ジンジン、ズキズキ
いろんな、痛みが混じり合う。
その中で、ひとつだけ、
ドキンドキンと、なっていた。
「俺の好きな人は、」
ブワァ..
カーテンが、風をはらんで膨らむ
花のいい匂いがする
あー、ドキドキする。
「好きな人は....お前なんだよ!!桜那!」
ブワァ
また、風が吹いた。
カーテンがなびく。
信じられない。
あの、秀が、顔を赤らめて、息詰まっている。
それが信じられないくらい、可愛く、かっこいいと思い、やはり、愛おしいと思った。
「ずっと、前から...幼稚園の頃から、お前ばっかり考えてきた。最近は、アピールばっかりした。この間だって、」
待って、幼稚園の頃から?
「振り向きざまにキスしたり、」
やっぱり思いすごしじゃなかった
「さりげなく、二人の空間作って、プロポーズしてみたり、」
プロポーズって、とちりすぎ、
「なのに、お前が気づかないから、寂しくて...ゥゥ」
泣いてる..あぁやっぱり、たまらなく愛おしい。
「ごめん。鈍感だから、気づかなくて..いや、気づいてたけど、知らないふりしてた。ごめん。」
と言って、秀の涙を拭いた。
「だから、私にも言わせて?」
固まって、こっちを見る、秀
「好きだよ。秀。愛おしいくらい。」
固まっている。
「でもねぇ、私には、伝える勇気がなくて...あれ..なんで..私泣いてんの?止まらない..」
次の瞬間、私は、溜めていたものを出すように、泣き出した。
秀は、静かに抱きしめてくれた。
その腕が、暖かくて、心地よくて、落ち着く
泣き終わったあとに、改めて、
「私には、伝える勇気がなくて、このまま、墓までコースだと思ったから..秀が、言ってくれて、とっても、とっても、嬉しい。ありがとう。...私と付き合ってください。」
あ...まだ緊張してる。
胸の鼓動が鳴り止まない。
ドキドキドキドキ
「プハァ!これじゃあ、桜那が、告白したみたいだな。」
ほ、ホントだ!
「俺からも言わせて?好きです。俺と、付き合ってください。」
あぁ..やっぱり、秀が好きだ。
「はい。こちらこそよろしく」
はつ恋がかなった。
嬉しい。
「ねぇ、桜那。もう一個いい?告白の言葉。」
「...いいよ。」
なんだろう?
「桜那...「 」
「........もちろんいいに決まってる。それでよろしくね。」
嬉しい、嬉しい、嬉しい!
その後、私たちは、謝恩会に向かった。
遅れていったので、あまり目立たなかった。
私は、秀の隣に座り、友達と、じゃれあう秀を見ていた。
「ねぇねぇ。桜那。」
声をかけてきたのは、美紗。妙に気分をはずませている。
「どうしたの?」
「秀と、付き合った。ってほんと?」
なーんだそんなことか、
「ホントだけど、なに?」
「いや、何でもない。」
「?」
何がしたかったのだろう?
「桜那ちゃん!」
「?あ、優くん。どうしたの?」
優くんは、同クラの、おにいさんみたいな男子。
「こっちおいで、一緒に食べよ。」
と言って、ひっぱられた
「いいけど...いいけど、このたいせいは、なに?」
なぜか、私は、優くんの膝に座らされた。
「まぁまぁ。あ、秀が見てるよー。」
「は?なんで、秀が...」
と、秀の方向を見た。その顔は、まるで鬼の形相だった。
こちらの視線に気がつき、こちらへ向かってくる。
「桜那。」
グイっと引っ張られて、優くんから引き剥がされた私。
「どうしたの?しゅ..う..?..」
抱きしめられた。
「ど、どうしたの?だ、大丈夫?」
「.....」
無言を貫かれる。
こんな大勢の前で抱きしめられると、恥ずかしいよ。あー、ドキドキする。
しばらくして、秀が私を抱きしめるのをやめた。
「次は、ないからね...」
「?」
誰に、何を言っているのだろう。
「...秀?」
怖い。顔が怖い。
「ん?なに?」
パァーっと、表情が元に戻った。
その日の夜は、眠れなかった。
今日は、1日、色んなことがありすぎる。
告白されて、ハグされて、泣いた。
あー嬉しすぎる。
可愛い、秀も、かっこいい秀も、好き。
とっても、とっっっても
「愛おしい人」。
好きだよ。ずっと、永遠に。
私は、今、高校生。
でも、この関係は、まだ続いている。
まだ二人とも両想い。
高校卒業したら結婚しようと、約束した。
今、私は、とてもハッピー
お父さんと、お母さんにも紹介した。
とても喜んでくれた。
この私の物語は、続く。
いつまでも、いつまでも、ずーっと続く。
だからそうなるように願う。
「この幸せが、なくなりませんように」
ってね♡
もうひとつ、忘れられないのがある。
最後の告白の言葉。
あれが、私の欲しい言葉。
それは、
「 」
終わり♡
最後のカッコは、自分の言われて嬉しい言葉を想像してください。