「え、二次会?」


粗方テーブルの上にあった皿の中身が空になった頃、オレンジジュースを喉に流し込んでいた私はそう問うた。

集金がてら各テーブルを回っていた九栗さんが、スマホから視線を上げて頷く。


「そうそう。このあとラウンドオン行かないかーって、霧島たちが言い出してさ」


まだ明るい空。このまま解散するのは名残惜しいのだろう。いかにも彼が提案しそうなことだな、と思った。


「白さんたちも行こうよ。テーブル違ったから全然話せなかったし、せっかくみんないるのにもったいないし」

「うーん……」


うちのクラスは別段仲が悪いわけじゃない。むしろ良い方だ。
だったらなぜ渋る必要があるのかというと。


「で、でも……体動かさなきゃいけないんだよね?」


至極当たり前の質問、そして不健康そうな質問になってしまった。

ラウンドオンというのは、スポーツアミューズメント施設だ。私の運動神経では正直楽しめる気がしない。

九栗さんは「あはは」と私の心配を笑い飛ばすかのように声を上げた。


「みんなどうせお腹いっぱいだし、そんな激しく動かないって! まあでも無理強いはしないよ、来てくれたら嬉しい!」