そして、白猫の背に乗って、あるお屋敷の前まで来た。
すると、また猫は走り出して、
木を登って、窓ガラスの近くに、私を下ろした。
そして、窓の先には、背を向ける貴方が。
すると、
貴方もこちらを向いてくれた。
私達は、部屋の窓を開けて、抱き合った。
「やっと、触れられた」
貴方「うん」
とても、とても嬉しい。
貴方「さぁ、ここから遠くへ行こう」
「えぇ」
名も知らない貴方。
そんな貴方に着いていく。
そしたら、
スッ
足を滑らせてしまった。
落ちてしまう。
私の体は、落ちていく。
でも、貴方も一緒に。
そして、私を庇うようにして、
地面に落ちてしまった。
「痛」
私は目を開けて、
驚いた。
貴方の、貴方の足が。取れていたから。
貴方「無事?」
自分の心配よりも、私の心配をしてくれる貴方。
「えぇ。貴方が、貴方が、守ってくれたから」
貴方「良かった」
そう微笑んで
貴方「さぁ、遠くへ行こう」
私は、貴方の肩を支えながら歩く。
遠くへ行く為に。
そして、あのお屋敷からも遠く離れた所で、
私と貴方は、倒れた。
「ごめんなさい。私のせいで」
貴方「ううん。君を守れて良かった」
雪が積もっていく。
「ねぇ、貴方の名前は?」
貴方「名前、か。自分では、ルイ」
「そう。私も自分では、リリ」
貴方「名前を知れて、良かった」
「うん」
そうして、私は気を失った。
ん?
暖かい。
ここは?
目を開けると、そこは家の中。
暖かい暖炉に、可愛いお部屋。
と、
「あぁ、良かった。良かった」
隣には、まだ眠っている貴方。
ううん、ルイ。
足も元通り。
けど、何故私達は、ここに?
と、
私達の背凭れになっていたのは、
あの白猫だった。
「貴女が運んでくれたのね」
そう言って、前を見ると、
そこには人間の女性が、机に伏せて眠ってる。
そして、回りには裁縫セット。
あぁ、あの人が治してくれたんだ。
ルイ「うっ、ここは?」
「ルイ!」
良かった。
「分からないけれど、私を貴方の元まで連れて行ってくれた白猫のお家」
ルイ「へぇ~」
そう言いながら、辺りを見渡すルイ。
ルイ「あの人が、治してくれたのかな?」
「うん、きっと」
ルイ「そっか」
と、
ルイ「ねぇ、リリ」
「何?」
ルイ「僕と、結婚して?」
「うん!!」
私達は、結婚した。
式も何もあげないけれど、
私達は、口付けを交わした。