「うぃっす、センセ! 今日は先生にマッサージしてもらえないなんて、残念でーす」
「アハハ、毎度先輩にさせるなんて、いい度胸だ」
「冗談ッスよ~。でも先生、本当に気持ちいいッス。マッサージ師になれますよ」

あ、なんだ。
ユウジのバスケ部の顧問の手伝いをしてるからか。

あたしは、がっかりして溜め息をついた。
そーだよね、そーですよね。
あたしにだけ特別扱いするわけないですよね。

半ばヤケクソになって、あたしは床に足先をぐるぐると回して遊んだ。

「何やってんの、高坂さん」

顔にバッと熱がこもった!

「なな、なんでもありませーん!」
「コイツ、時々変な行動するんで、気にしないでください」

ユウジのアホ!
なんでいらんことを!!

「アハハ、そうなんだ。じゃあ、気をつけて帰るんだぞ。高坂さん、宿題は人のを写すんじゃなくて、自分で解くんだよ」

去り際も鮮やかだ。
しかし、あたしがチャコの宿題を毎回写してるのがバレてたとは…。

やっぱり、先生に見抜かれてる…?

恥ずかしいんだけど、なんだか嬉しかった。