もうじき冬休みになる頃の模擬試験で、あたしの成績は伸びていた。
あたしは志望校を書く欄に、第一志望を西高にして、第二志望に女子大付属にしていた。

西高の合格判定は「B」。
女子大付属の合格判定は「A」。

こんなこと、今まで一度もない!

あたしは、飛び跳ねて喜んだ。
その結果を母さんに見せたら、

「あら、アヤちゃん頑張ったわね!」

って、母さんも大喜びだった。
母さんはあたしが勉強嫌いだと知っていた。
女子大付属にだって、あたしの成績だとボーダーライン。

「母さん、あたし、志望校を西高にしようと思うんだ」
「西高? あそこは難しいじゃないの」
「でも」

あたしは成績表を見せた。
母さんは納得してなかったようだけど、懇談会で担任の先生にも「志望校変えても大丈夫でしょう」と言われて、ようやく許してくれた。

「でもアヤちゃん勉強するの? 大学まで付いてる方がいいんじゃないの」
「大丈夫! あたし、目覚めたから」

あたしは胸を張って言った。
そして、すぐにでも、コウキに報告したかった。