「アヤ、今日は部活ないから…アヤ?」

ユウジは、あたしの背後から声を掛けた。

「どうした? ぼーっとして」
「ん、なんでもない。何?」
「ああ、部活ないから一緒に帰ろうぜって」

一瞬、ユウジのこと忘れてた。
過去に戻ってた。

「部活ないの~? バスケ部ってやる気ないねぇ」
「だって大会しばらくないし」

そう言いながら、あたしににやにやと笑いかけて、あたしの耳に口元を近づける。

「今日、いいだろ?」

あたしは少し頬を赤らめて、頷いた。