テストは苦痛の毎日だった。

はぁ…げんなり。

今回も全然期待出来ない。

あたしの本来の学力レベル以上の学校に来ちゃったから、相当がんばんなきゃついていけないって分かってた。
けど、なんだって高校入ってから急に難しくなったんだ…。

帰り仕度をして、ぱらぱらと教室からみんな出て行く。

「アヤ~、帰ろ」

ああ、チャコがまぶしい。
爽やかだなぁ。

「松野さん」

チャコを呼ぶ声。
チャコとあたしは、声のした方を見た。

「松野さん、今日のテスト、どうだった?」
「斎藤くん!」

チャコの甲高い声。