しばらくして、一番先にコウキが出てきた。
コウキはあたしが部室の前にいたのにびっくりして、目を丸くしている。

「メールしたでしょ?」

あたしは言った。

「え」

コウキはあわててカバンからケータイを出して、確認した。

「いいでしょ?」
「う、うん」

そう言いながら、コウキはポチポチと何かを打っている。
多分、佐々倉さんに先に帰るようにメールでもしてるんだろう。

「誰にメール?」

コウキは答えなかった。

「話って?」

コウキは逆にあたしに質問した。

「公園で話す」

あたしはそう言った。
地元の公園。
思い出がたくさんある公園だった。