泣き疲れたのか、あたしはいつの間にか眠っていた。
どんなに辛くても、朝は来るんだなー。
爽やかすぎる朝が、皮肉に思えた。

気がついたら、あたしはケータイをサイレントモードに切り替えていた。
着信は何件もコウキで埋まっていて、メールも何通か来ていた。

『アヤ、どうした?
 今日は体調悪い?
 無理すんなよー  コウキ』

あたしはどんな大風邪引いても、いつもコウキの電話には出ていた。
声が男みたいになっても、出た。
そのたびにコウキがゲラゲラ笑ってた。
そのことを思い出して、あたしはまた泣きそうになる。

ああ、あたし、ホントにコウキのこと愛してたんだなー…。

だけど、ここで学校休んだら意味がない。
あたしは、制服に着替えた。

朝ごはんもそこそこにして、学校へ向かった。

昨日、宿題してないし、テスト勉強も出来てない。
学校で全部やっちゃおう。
宿題はチャコに写させてもらって、単語テストはヤマを貼ろう。