少し眠くって、うつらうつらとしていたら、砂を蹴る音が聞こえて、あたしは跳ね上がった。
コウキは!?
あたしはきょろきょろしたけど、歩いてるのはほかの一年生で。
コウキのこと、聞こうと思ったけど、あたしは出来なかった。

ダメ。
コウキとあたしのこと、先に決着つけなきゃ。
まだみんなに知られたくない。

あたしは、みんなに気づかれないように背中を向けて、校門に向かって走り出した。
カバンが重いよ。
ああ、教室に教科書とかノートとか、置いてくれば良かった。
でも、今日確か古典と数学の宿題があったし、明日は英語の小テストだから、やっぱ持って帰らなきゃ!

そんなことを考えながら、イヤな予感がするのを振り切ろうとしていた。

校門近くで、あたしはコウキの後ろ姿を見つけた。